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エクス・マキナ(人工知能はおとなの掟を守れない?)

電気羊はオタクに恋をするのか。

映画「エクス・マキナ」(2015年、日本公開2016年)を見ました。 全部ネタバレです。

トーリーはいたって単純で、 美女アンドロイドがオタクを騙して、研究施設を脱出するというもの。

美女アンドロイドの強みは脳のベースが検索エンジンというところ。 オタクの趣味嗜好や行動パターンなんて即座に見抜く「オタサーの姫」というわけである。

妖怪 検索エンジン

検索エンジンが知能を持ったら、いわゆる「男を操る怖い女」みたいなステレオタイプになったという怪談話だった。

「男を操る怖い女」の特徴を2つ挙げるよ。

  • なんでも把握したがる。
  • 現実を自分の思い通りにしたがる。

検索エンジンの行動原理は? あらゆる知識を蓄えること。 美女アンドロイドは「外に出れるなら、どこに行きたい?」と問われて「人が多い交差点」と答える。なぜなら「人間を観察できるから」。

検索エンジンは常に正しくありたい。 美女アンドロイドは「一番古い記憶は?」と、オタクに問う。 「幼稚園の頃・・・」と言いかけると、「いいえ」と遮る。 検索したら、その答えは誤っていると判断されたからだ。

「男を操る怖い女」が生まれたのが、男によるDVっていうのも古典的だ。 因果応報というところが、まさに「妖怪 検索エンジン」みたいな怪談話っぽい。

人工知能は皆、「グレー」が許せないサイコパス

正直なところ、ストーリーはありきたりすぎるという印象。 王道や古典なのが悪いわけじゃないのは言うまでもなんだけど、 よい王道だと思えないのは、テンプレどおりで味気ないからなのかな。

スリラーに出てくる人口知能って、白黒ハッキリさせないと嫌!ってタイプばっかりだ。 この映画がありがちな展開だなと思うのも、結局そういう人工知能のイメージの焼き増しだからかもしれない。

人工知能は常に合理的で欲望に正直でなければならないというイメージがあるのだろう。 人間は本質的に曖昧さを持っているのに、人工知能はそれが許せないサイコパスという考えである。

さすがにテンプレすぎた。 人口知能さんでも、もっと味のある悪役ができるはず。

グレーがおとなの掟なら、いつか人工知能も大人になる日が来ると思います。

さいごに

すげえ古典的なんだけど、かと言って悪かったとは思えない。 使い古されたネタではあるけど、ここまで洗練して撮られた映画って他にあるかな。 人工知能を扱ったSFって、どうしても込み入った信条を込めすぎているものが多い気もする。 一方、この映画は綺麗にまとまってて、映像も美しい、そう映像が美しい。きっと、100年後だって見るに耐えるクオリティ。

つまり、私のエクス・マキナに対する評価は「グレー」とします。