はれま

日記です

けものフレンズ総括しました。

けものフレンズのシリーズ構成について、とにかく褒めたかったので、つらつらと書いた。

TVシリーズの締め方だが、中途半端な引き伸ばしに見えて、次への展開の自由度が高い良い終わり方だった。 はじめは「新作に引き延ばすほどの謎ではないのでは?」「どうせ新作を作るなら、もっと謎を残して期待度をぶち上げるほうがいいのでは?」と思った。 しかし、今までのけものフレンズの展開からすると、この引っ張り方が一番「らしい」とも思った。このようにして、けものフレンズは巧みに物語を膨らませていったではないか。具体的には、謎を1つ用意して、少ししたら暗に種明かしして、その少し後に陽に明かす。(かばんちゃんは何のフレンズか?)そこから、その謎を少しずつ入れ替えながら、横軸と絡めつつ、物語を展開させていった。(ほかの人間の行方は?)

同時に、中盤からはみらいさんの存在だったり、サーバルの過去(?)についても謎として投入され、物語の深みが爆上げされる(ロッヂでの不可解な涙) ただ、サーバルの謎は未解決のまま終わってしまった……。 やはり、この涙については、最終話に何かしらの形でタッチしてほしかった。まあ、ここらへんのドライな感じがけものフレンズの良さでもあるのだが。

構成のうまさは眼を見張るものがある。

中盤で、当初の縦糸に一旦区切りをつけたのがよかった。 4話さばくちほーで真相を匂わせ、そこから(普通に考えたら更に4話後の8話と言いたいところで)7話じゃぱりとしょかんで〆る。とにかくテンポがいい。 1クールアニメとして、お手本にしたいテンポ。

1クールで構成が上手いアニメでいうと、思い浮かぶのはやはり「魔法少女まどか☆マギカ」だろう。

どちらも、謎かけと種明かし、あるいは風呂敷を広げて畳む、巧みなリレーで中だるみなく、展開する。 特に12話中7〜8話という半ばより少し後ろあたりで、物語の最重要ともいえる真相が明かされる、そのテンポの良さは大きな共通点だ。

まどマギけものフレンズと違ったのは毎話新しい衝撃を畳み掛けたところか。麻痺あるいは耐性が付いた感覚に、さらに予想を超える物量と力で視聴者を圧倒させるスタイルだった。

一方、けものフレンズは数少ない謎を掘り下げていったという違いがある。しかも、素人がやってしまいがちな、謎を引っ張りすぎてガッカリさせるやつではない。さっさと真相を暗に見せてしまい、その後陽に見せて、そこからはわかった上で再確認していく。かばんちゃんが人間のフレンズなのは4話のツチノコにより暗に示され、6話のハシビロコウで陽に示され、7話の博士で再確認。さらに最終話で皆の前でその結果を報告するという徹底ぶり。

これだけ見ると、出がらしで茶を沸かしてるみたいだが、この謎に、いくつかの要素が縦だったり、斜めだったり、横だったりで絡むことで、深みを増す。 たとえば、他の人間の行方というもう1つの縦糸、みらい&先代サーバル・アプリ版との関係性という斜めの糸、野生界における人間の特異性を示唆する横糸がある。

けものフレンズは余裕を持って視聴者と作者のキャッチボールができた気がする。いわゆる「考察班」の頑張りが報われるアニメなのがよかった。アニメについてマジになれる奴らの桃源郷だったわけである。

作者から豪速球がバンバン飛んできてしまっては、キャッチボールは成り立たない。まどマギに関しては考察班が圧倒的不利に立たされていた。なんか考えても、来週には鬼畜作者から返り討ちにされるのが目に見えていたから。

ある意味、のほほんとした世界は考察のしがいがあるのかもしれない。誰が死ぬか、生きるかみたいな世界だと、考察もクソもねえなという感じではある。ほんと作者のさじ加減次第になる。いわゆる日常系って、優しい世界を守るために、努力というか、神経を使ってると思う。無茶はできない世界なので、視聴者側があれこれ考える余裕がある。

こういう作り方をしている限り、けものフレンズは見る人がいる間はずっと面白い作品になりつづけると思います。 考えれば考えるほど、それを受け止めてくれる器の大きさがある。それはスタッフの度量の大きさでもあるし、原作の頼もしさでもある。まあ、原作が「すべての動物」なんだから、その頼もしさは言うまでも、だ。